下水道現場のデジタル化に貢献するIoTカメラ&ドローンの活用(月島機械様)
2020年09月14日
設備保全において全ての課題を一度に解決する魔法のツールなどは存在せず、基本的には、様々なツールの目的に合わせて使い分けることが真の課題解決の近道です。最近、LiLz Gaugeをご検討いただいているお客様との会話で「ドローン点検」との違いについて質問されることが増えてきましたが、LiLz Gauge(IoTカメラ)とドローンは併用することで設備保全の効率化は加速すると考えています。
9/9の環境新聞にて、月島機械様の下水道現場のデジタル化事例としてLiLz Gaugeを取り上げていただきました。また、この記事ではスマートグラスおよびドローンとIoTカメラの組み合わせて新スタイルの下水処理場のデジタル化が提案されています。
<環境新聞 9月9日付「下水道の日」特集掲載>
記事にも記載がありますが、国土交通省よると下水処理場は全国で2200箇所あり、その86%(1900箇所)が稼働後15年を経過し、改築・更新事業の時期を迎えています。下水処理場のみならずあらゆる社会インフラは老朽化が深刻で、設備保全業務の効率化のニーズは非常に高いと考えています。
このような課題に対して、当社のLiLz Gaugeは目視巡回点検の課題を解決できるソリューションですが、一方でドローンも点検効率化が見込めるソリューションとして最近活用事例が増えています。このような点検効率化のサービスは、主に以下のようにハードウェアによって大別されます。
上記は目的に合わせてそれぞれ使い分けが可能と考えていますが、今回は記事で紹介されているドローンと低消費電力型IoTカメラ(LiLz Gauge)の2つについて考察したいと思います。
ドローン
ドローン最大のメリットは、移動コストが低所でも高所でもあまり変わらない点と、飛行ルートをいつでも変更できる点です。このメリットを活かして高所や危険場所にあるサビや傷などの劣化診断などの点検効率化に向いています。なぜなら、サビや傷などは広範囲にわたり対象施設のどこで発生するか予測しずらく、くまなく目視しないといけないからです。状況に応じて点検ルート変更も必要になるかもしれません。ドローンであれば1台で該当箇所に移動し場所ごとに高解像度で写真や動画を撮影することができます。今回の月島機械様の例で採用されているLibrawareは小型であるというメリットもあるため、狭小空間でも運用できるようです。
低消費電力型IoTカメラ(LiLz Gauge)
低消費電力型IoTカメラ(LiLz Gauge)最大のメリットは、電源がない場所に積極的にカメラを設置できる点にあります。ドローンのように、ハード単体で自律移動はできませんが、点検箇所が計器など明確に場所が決まっている場合の日常点検やスポット点検の効率化に向いています。また目視点検支援ソリューションの特徴的な機能の1つである計器値読み取りについても、精度高くバリエーションが増やしやすいという点があります。当社のLiLz Gaugeの計器読み取りは機械学習だけでなくルールベースの画像解析も併用しています。ルールベースで読み取り精度が出せる場合、学習データが不要なので特殊な計器の対応もしやすいメリットがあります。また、LiLz GaugeはWebブラウザから任意のタイミングで画像を撮影することもできる(※BLE-LTE Routerが近くに設置されている場合)ため、即座に現場の計器の状態を把握することができます。
両者の特徴として、どちらも「非接触型」で「人間の行為を分かりやすく置き換える」という点で似ています。点検は五感を使うと良く言われますが、このような五感点検を効率化するソリューションは目的によって使い分けることが重要だと思います。
今回の下水道現場のデジタル化では、記事にもある通りLiLz Gaugeの課題は、「さまざまな種類の現場計器に対応すること」「アラート配信機能」の2点があります。リルズ はこの2つの課題に現在対応中です。本件についてはまた別の機会に共有したいと思います。
今回の事例は、下水道施設のみならずプラントや発電所などあらゆる施設でも参考になると思いますのでぜひ新聞記事を読んでみてください。
LiLzは拠点が沖縄ということもあり、創業当時からリモートによるオンラインミーティングを歓迎しています。この機会にもう少し詳しく説明を聞いてみたい、という方は遠慮なくお問い合わせください。