株式会社村田製作所様 supported by TMES株式会社
インタビューにご協力いただいた皆様
株式会社村田製作所 芳賀勝海様(写真左)
TMES株式会社 小林正一様(写真右)
TMES株式会社 小林寛史様(写真左から2番目)
TMES株式会社 髙橋仁様(写真左から3番目)
導入テーマ
みなとみらいイノベーションセンターにおけるLiLz Gaugeを用いた施設管理の高度化
LiLz Gaugeを導入することになったきっかけを教えてください
芳賀様:当社では多拠点での無線技術を用いた施設管理強化を2016年から推進しています。特に当社の無線製品を主軸とした施設管理のインフラ整備を行ってきました。
これまで様々な工場やビルにて、無線化技術導入の実績を積み上げてきました。その実績を元に2020年12月に竣工したみなとみらいイノベーションセンターでは、当社の様々な製品を組み合わせて無線化の技術の導入を進めていました。その中で、みなとみらいイノベーションセンターの施設管理を行っているTMES株式会社様よりLiLz Gaugeの提案があり、無線化技術の1つとして取り入れることになりました。
特に魅力的に感じた点が後付けで設置できる点にあります。例えば当社の工場では時代の変化に併せてレイアウト変更や引っ越しを行います。そのときに中央監視装置の対象となる計器にも変更が発生する場合があり、その都度、配線の見直しやセンサーのつけ直しが必要となっていました。それがLiLz Gaugeではカメラを簡単に移動して設置し、すぐに測定を開始することができるので、時代の変化に併せてスピーディな設備の変更が進められる点が魅力的でした。
小林正一様:当社でもLiLz Gaugeの開発初期段階から実証実験に携わっており、その性能については実証済みでした。そのため、村田製作所様へのスマートビルディングの提案の一部としてLiLz Gaugeの提案を行いました。
「みなとみらいイノベーションセンター」は2020年12月に竣工した関東最大級の研究開発拠点
実際にLiLz Gaugeを導入した効果をお聞かせください
芳賀様:導入して良かった点としては数字変化だけでなく、計器の画像を実際に確認することができる点です。予知・予防保全の観点では、計器の数値情報の分析等により変化を見つけ出すことに注力をしています。LiLz Gaugeでは数字情報だけではなく、画像データも取得することができるため針の位置がいつもと違う等、違和感にも気づけるようになりました。
小林正一様: 画像データが残るという点で効果を感じたのは、上水メーターの検針への利用です。過去に月の水道料金が通常の10倍の金額で請求されたことがありました。そのときにLiLz Gaugeが水道メーターの検針値を画像データで保存していたので、誤請求であることを証拠として提示することができました。写真が証拠として残っていないと、誤請求かどうかの判断に時間がかかってしまう可能性があったので助かりました。
髙橋仁様:LiLz Gaugeを導入することで効果を感じたのは、最上階にある貯湯槽の点検です。ビルの最上階にある特性上、点検を行うための移動時間はエレベーター待ちを含めると往復で30分かかるときもありました。貯湯槽では温度と圧力の点検しているのですが、LiLz Gaugeを導入することで点検のための移動負荷が大きく下がりました。
小林寛史様:貯湯槽といえば、定期メンテナンスのときにお湯を少しずつ抜いて空にする日があります。5トンの水をゆっくりと抜くので従来は人が常に現地で確認する必要ですが、LiLz Gaugeで遠隔で監視し、状態を確認することで負荷を低減できると思います。
芳賀様:みなとみらいイノベーションセンターの立ち上げにはスピード感を持って取り組んできました。貯湯槽はビル竣工後に法対応の観点から、点検の重要性が増した設備です。そのような状況の中でも、LiLz Gaugeは取り付けたその日から測定が開始できるので、後追いですぐに改善をすることができました。新しい取り組みをスピード感を持って実行する当社としては、このような後付けで改善ができる安心感は、スピード感を維持する後押しとなっていると思います。
貯湯槽の温度と圧力をLiLz Gaugeで監視している様子
TMES様はLiLz Gaugeで取得したデータをどのように施設管理の業務に活かしていますか?
小林正一様:収集したデータを分析して、施設全体の省エネ効率改善やトラブル時の問題解決に繋げています。
例えば、LiLz Gaugeで収集した水道の使用量と中央監視システム上にある空調機のデータを組み合わせることで空調機の加湿モジュールが水道使用量に影響を与えていることが分かりました。
また、中央監視をしている室圧のデータとLiLz Gaugeで測定している空調機の差圧データを同時に確認することで、フィルターのつまりが与える室圧への影響を分析することができます。分析した結果、フィルターの交換が必要だと判断した場合は、データに基づく客観的な事実を元にフィルター交換の提案を行いました。フィルターの交換は、一般的に過去にフィルターを交換した日付を元に、交換有無を提案するケースが多いです。一方で、当社ではLiLz Gaugeを利用することで長期の差圧トレンドがデータとして蓄積しているので、ビルの実態に即した提案をすることができるようになりました。
LiLz Gaugeの活用を含めた今後の展望を教えてください
芳賀様: LiLz Gaugeの活用という観点では、トラブル発生時の早期解決を実現していきたいと思います。何か問題があったときに、LiLz Gaugeをすぐに取り付けし、情報共有を行うことで科学的な管理を最短・最速で実現できる体制を作っていきたいです。また、LiLz GaugeのAPIを利用することで他のセンサーのデータと一元管理を行うことで、より高度な分析ができることを目指しています。
個人的には様々なデータを集約することで、今まで苦労していたものをなくし、管理に集中することで、管理そのものが楽しくなるような「人にやさしい施設管理」の実現を目指していきたいと考えています。
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導入企業様:
会社名 株式会社村田製作所
代表者 中島 規巨
所在地 京都府長岡京市東神足 (ひがしこうたり) 1丁目10番1号
事業概要 ファンクショナルセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売
URL https://corporate.murata.com/
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パートナー企業様:
会社名 TMES株式会社
代表者 原 芳幸
所在地 東京都港区芝浦4-13-23 MS芝浦ビル8階
事業概要 保守メンテナンス事業(機械設備・電気設備・通信設備・防災設備・昇降機設備・その他建築付帯設備・クリーンルーム設備・給排水設備等の設備全体の高度管理・運転管理・維持管理ならびに、設備の設計・施工及び付帯工事・コンサルタント業務等の設備総合管理)
インタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました!